まったりAI勉強記

AI(人工知能)について、特にゆかりがあるわけでもない社会人が、まったりとAIについて勉強していく勉強日記です。

【G検定】人工知能をめぐる動向 - 知識表現

どうも、カタミチです。

さて今回も「ディープラーニング G検定(ジェネラリスト)公式テキスト 第2版」(以降、『当書』)を使ったG検定の勉強です。

引き続き第2章「人工知能をめぐる動向」を読み進めて行きたいと思います。

2-1. 探索・推論
2-2. 知識表現
2-3. 機械学習・深層学習

前回「探索・推論」について勉強したので、今回は「知識表現」について勉強したいと思います。

 

知識表現

探索・推論とは違うところを契機に起こった第2次AIブーム。その最初の萌芽になったのは、1964年から1966年に掛けて、ジョセフ・ワイゼンバウムによって開発されたコンピュータプログラム「イライザ」だとされています。

第2次AIブームが1980年代だとされているので、ブームから10年以上前ですね。イライザは「人工無脳」と呼ばれるプログラムで、相手の発言をあらかじめ用意されたパターンと比較し、パターンに合致した発言があると、そのパターンに応じた発言を返答する仕組みです。

「意識的には分かっていても、無意識的にコンピュータの動作が人間と似ていると仮定する傾向のこと」をイライザ効果と呼ぶらしいですが、 それは 「彼女」に人間らしさを感じた人が少なからず居た..ということですね。

余談(いつもの)ですが、私が学生の頃、 恋愛を疑似体験する 「ときめきメモリアル」ってゲームにハマったんですが、あれはまさに「イライザ効果」だったんでしょうねー。ゲーム内で投げかける言葉は選択式だったので、人工無脳とは呼べないんだとは思いますが、確かにゲームの中でキャラクターが「生きている」と錯覚する気持ちは分かります。

その後、ある専門分野の知識を取り込み、その分野のエキスパートのように振る舞う「エキスパートシステム」が世に登場します。その誕生にイライザが影響を与えたのかビうかは本書に明言は無かったですが、 おそらく影響していたでしょうね。

医学や化学の分野をはじめ、多くのエキスパートシステムが開発されるようになったようですので、エキスパートシステムの開発が盛んになってくると問題になってきたのが、 知識データの持ち方。獲得した数千、数万の知識が互いに矛盾したり一貫していないものが出てきたりしたそうです。ここで登場したのが意味ネットワークオントロジーです。

意味ネットワークは「概念」をラベルの付いたノードで表し、概念間の関係をラベルの付いたリンク(矢印)で結んだもので表す、とあります。

こんなやつ↓です。

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概念間の関係として特に重要なのは「is-a」の関係(「である」の関係)で、上の図で言うと…

・哺乳類は動物である。
・人間は哺乳類である。

と読む感じになります。

ちなみに「part-of」は「一部である」ということで、

・手は人間の一部である。
・足は人間の一部である。

って事になるんですが、これは結構定義が広くて、

・夫 part-of 夫婦
・ケーキの一片 part-of ケーキ
・粘土 part-of 花瓶

みたいなものも表現できます。ただ、同じpart-ofで表現できるとはいえ、厳密には別ものっぽいですよね。そう、別ものなんです。part-ofの関係だけでも最低5種類の関係があるらしいんですよねー。

次にオントロジーです。本書以外にも色々と調べたんですが、意味ネットワークとの違いがよく分からずに苦労しました…。

オントロジーとは「知識を体系化する方法論」と定義されてるみたいなんですが、「意味ネットワークで体系化されてるじゃん。図に表せてるし。」と思ってしまいました。しかしどうやら、意味ネットワークで表現できるようなものをどう記述するか?というものを定義する…つまり、書き方のルールを決めるのがオントロジーの役目みたいです。通信でいうところのプロトコルみたいなもんですかね。「オントロジー言語」なんていう言葉もあるみたいですね。

ちなみに先ほど出てきたpart-ofの5種類の関係は、いまだに正しくモデル化できていないそうです。記述するからには正確に定義する必要がありますが、うまく表現できない…って事でしょうね。なかなかロマンのある話ですねー。

オントロジーの話の中で出てくる話に、「Cyc(サイク)プロジェクト」というのがあります。これは、すべての一般常識をコンピュータに取り込もうというプロジェクトで、1984年からスタートしたようです。で、このプロジェクトがいつ終わったかと言うと…

なんと、まだ終わってないそうです!

いやー、面白いですねー。一般常識と思われているものをコンピュータに取り込むのに、40年近く掛けても終わらないとは。

一向に終わりが見えないものを揶揄して「〜のサグラダ・ファミリア」なんて言ったりしますが、サグラダ・ファミリアはもうすぐ完成します。今後は「〜のCycプロジェクト」なんて言い方が流行ったりして…(汗)

他にも、IBMが開発した「ワトソン」や、日本でプロジェクト化して開発された「東ロボくん」などにも、このオントロジーが使われたようです。

 

ということで

知識表現の節を見てきました。

イライザ、ワトソン、東ロボくん…。

人工知能を擬人化する流れは、知識表現の第2次AIブームあたりで起こり始めた感じですかね。

このあたり、以前読んだ「今こそ知りたいAIビジネス」という本で、著者の石角友愛さんが「AIビジネスを考えるうえでは、この擬人化は弊害になる」と言っていたことを思い出しながら、噛みしめながら勉強していました。

ではまた。

勉強に使ってる書籍はこちら↓
深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト)公式テキスト 第2版